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よ う こ そ
 おとぎばなし 翼の部屋
   Welcome to world of fairy tales TASQ.

        健全な青少年育成には、夢を描けるメルヘンが、

 なによりのツールです。

  通読され、あなたが面白かったら、子供にも

 読んであげて下さい。

 

   自動ヴァイオリン 1900 年初頭 (アメリカ)

 

 

音楽 1

不思議なピアノ

 

 幸ちゃんの家のそばに、静かな湖がありました。
その湖は水が透き通っていて、陽の光が泳ぐ魚までキラキラと
照らしていました。
幸ちゃんは、大きくなったら丸いガラスのボートを作って、その中で
絵を描いたり、昼寝をしたり、歌を歌ったりするのが夢でした。

 ある日、お母さんにピアノを買ってもらいました。
ピアノを弾いていたら、いつの間にか丸いガラスのボートに乗っていました。
外は嵐で、真っ暗闇なので、何も見えません。
大粒の雨がボートに当たり、風がどんどん沖へと流しているようです。
ガラスのボートは、今にも壊れそうになりながら、それでも水に浮く
ピンポン玉のように壊れることはありませんでした。

やがて嵐は止み、すがすがしい日差しと、やさしい風に変わりました。

いろいろな魚たちが、きちんと整列し、水面に動く絵を描いています。
小鳥たちは歌を歌い、そこはまるでオペラ劇場でした。
岩だと思っていたのは亀で、今まで昼寝をしていたのでしょうか。
舞台装置もみんな各々の動植物が果たしていました。

そこは季節も 時間の区別もなく、雲雀(ひばり)も蝉も鶯も一緒になって
歌っていました。
「まぁー こんな穏やかで平和な世界を隠していたのは神様でしょうか」

ふと見ると、古いお城が建っていました。
幸ちゃんは、ボートを降りて、そのお城に入って行きました。
お城の中に、幸ちゃんと同じぐらいの、お姫さまが住んでいました。
幸ちゃんは、このお姫さまと、お友達になりました。

お姫さまは、不思議なピアノをもっていました。
そのピアノを弾くと、鍵盤の隙間からシャボン玉が虹を描いて
飛び出してきました。
幸ちゃんが「花の歌」を弾くと、シャボンの花で、部屋中がいっぱいに
なりました。

早く弾くと小さなシャボンが、ゆっくり弾くと大きなシャボンが、
悲しい曲には、紫色のシャボンがでてきました。
シャボンがパチンパチンと割れるとき、快いリズムを刻みました。
擬音入りのオーケストラのようで、とても楽しく弾けます。

隣の部屋に、グランドビアノが置いてありました。
グランドピアノのケースは透明で、鍵盤も、光が中から手元を照らします。
部屋中がスクリーンで、暗くすると、ホームシアターになりました。
透明のケースは、曲に合わせて出る投光機のようなもので、
私たちは宇宙に浮かぶステージの真中にいました。

お姫さまが、ドビュシーの「花火」を弾いてくれました。
前も後も、花火と音楽とに包まれ、それはそれはものすごい迫力です。
神秘的なベートヴェンの「月光」を横目で見、北欧の作曲者
パルムグレンの「星はまたたく」を聴きながら、ステージに乗った
私たちは、ものすごいスピードで宇宙遊泳をしてきました。

でも、浦島太郎のように、帰ったらもう誰もいないのかしら。
「ちょっと、夕ご飯よ」
はっ として、目が覚めました。
そばには、お母さんが立っていました。

fine 

 

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点描画  工藤 優飛(中2)