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よ う こ そ
 おとぎばなし 翼の部屋
   Welcome to world of fairy tales TASQ.

        健全な青少年育成には、夢を描けるメルヘンが、

 なによりのツールです。

  通読され、あなたが面白かったら、子供にも

 読んであげて下さい。

 

   自動ヴァイオリン 1900 年初頭 (アメリカ)

 

 

風刺 1

犬の目にも涙

 

 犬にも一言いわせてくれ。
のっけから申し訳ないが、人間は誰のものでもない みんなの地球を、
我が物顔に支配していて、あまりにも勝手すぎないかい。 
ボクたちの人の好いのを・・・・・オット  犬の好いのを逆手にとり、
飼い慣らし、今では犬社会を完全に消滅させてしまったではないか。
いつも檻に入れられ、綱に繋がれ、ちょっとでも自由にしようものなら、
野犬狩りにあってしまう。 
結婚だって自由にできない。散歩の途中で好きな人・・・・・オット好きな犬に
出合っても、無理やり引き離され、いつも同種犬との見合結婚だ。
それでも結婚できればまだ許せる。
ボクたちは、恋する権利も奪われてしまう。
小さい頃から、去勢手術などと頼みもしないことを勝手にし、
それを良いことをしたかのように平気でいる。
とんでもないことだ。これは犬の尊厳を著しく犯し、
絶対に許せる行為ではない。

 だいたい、犬が何の感情も持たない石ころのような生き物だと
思っているのかい。猫にだって犬にだって豊かな感情があるし、
豊かな喜怒哀楽もある。
 老人一人、猫一匹で暮らしていた猫が、老人が救急車で運ばれ
入院したとき、猫は喜んだと思うかね。何も感ぜず普通だったと思うかね。
悲しくて寂しくて、何も喉をとおらず神経性胃炎になり、
何日も泡ばかり吐き戻していたんだ。こんなに心配した人間は、
このとき一人もいなかったぜ。 
ボク等は、自分より弱い者には、他人の子供でも乳をやり、
主人がピンチなら命がけでも救おうとする。
「待っていろ」 と云われれば何時間でも待ち、「小便をするな」 と
云われれば失禁するまで堪えている。
 二年以上一緒に暮らした主人が、突然ボクを主人の親戚の家に
預けに行った。
ボクを馬鹿にするな。ここは散歩に来た所でないこと位わかっている。
犬にだって先を案ずる想像力や憂いを持っている。
家族に愛されたと思っていたのは、間違いで厄介者だったのか。
これまで、云われるままに我慢し、従順に服従してきたのは何なのか。
人間の都合だけで動いている。
卑怯だ。悔しい。寂しい。不安だ。悲しい。
どんなに言葉を 探しても、この気持ちは伝えられない。
本当に。ほんとうに。トーンダウンして行く自分が哀れだ。 ・・・・・
平和なときには、あんなに強がっていたのに。・・・・・今は絶望の 淵にいる。・・・・・ 
主人は、ひどくやさしい声で別れを告げた。
「ケン、さようなら、元気にしているのだよ」
ボクは一変に涙があふれ出た。

「あっ」・・・・・ケンが泣いている。

 

 

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点描画  工藤 優飛(中2)